ご挨拶

 創設者である私の父、故・足利正明老師が戦役から生還したのは昭和20年8月終戦時、灰塵(はいじん)と化した八王子の八木町に立ち、沢山の戦災孤児を目にし、「戦後の復興は児童の養育から」との想いから、焼失した雲龍寺を再建しました。そして本堂を戦災孤児や子どもたちの無料託児所として開放したのが原点となり、「ゆりかごから天国まで」を経営理念とし、昭和23年に私財を投じて光明保育園(現 光明第一保育園)を開設して以来、昭和28年に社会福祉法人多摩養育園を設立しました。そして現在

 

保育所、こども園、高齢者施設、障害者施設、救護施設など、指定管理を含む20施設を運営しています。現代社会は、物質が豊かになり、大変便利な世の中になりました。そんな環境の中で毎日を過ごす人々。幸せな一方で、子どもたちの社会では、虐待、いじめ、自殺など悲惨な事件が後を絶ちません。また、高齢者についても、介護不安や身寄りのない方の孤独死増加が日々報道されているのが現実です。いつからそんな寂しい国になってしまったのでしょう。このままではいけない、わが国には、礼節、思いやり、助け合いの心、そして、素晴らしい自然と文化、伝統があります。この美しい日本を子どもたちに伝えていきたいという想いから、和の保育方針を構築しました。また施設で暮らす方たちには、懐かしいあの時を思いだし、生きがいを感じてもらいたいと、和の施設方針を構築しました。そして、これを実現するには、保育園や施設を地域の大きな家にすること。その大きな家には、地域の人が訪れ、自然に人と人との交流が生まれる。人生の先輩であるお年寄りは、豊かな知恵や経験を子ども達に伝え、子ども達からは元気をもらう。地域住民皆が家族のように、子ども達を共に育んでいく。そして、これにより新しい地域社会が構築されていくものと考えております。

 

 私たちは、地域の人々が安心して輝いた人生を実現できるよう慈悲の心で支援してまいります。

 

理事長 足利正哲